よくあるご質問

これまでいただいたご相談の中で、多かったご質問についてご紹介させていただきます。ご参考になさってください。
※質問をクリックすると解答が表示されます。

相続手続について

遠方の不動産の名義変更も頼めますか?
九州にある亡父の不動産の名義変更をしたいのですが、相続登記を依頼することは可能ですか?
可能です。
遠方の不動産についてはオンライン申請で名義変更登記をするため、全国どこに不動産があっても対応いたします。 物件の所在地にかかわらず、ご相談者様がご相談されるのに都合の良い司法書士にご依頼されることをお勧めいたします。
相続登記に必要な戸籍謄本を集めてもらえますか?
相続登記をするためには、亡父の戸籍謄本を集めなければならないと聞きましたが、集める時間がありません。戸籍謄本の取り寄せを依頼できますか?
当事務所で戸籍謄本を取り寄せいたします。
相続登記をするためには、相続人を特定するために、死亡者の出生から死亡までの記載のある戸籍謄本が必要です。
死亡者の戸籍謄本は、死亡者が過去に転籍していたりすると何通も必要となる場合があります。これらの戸籍謄本は、本籍地の自治体でしか取得できないため、遠方の場合は郵送で取り寄せることになります。
また、古い戸籍は字も読みづらく、戸籍の取り寄せはかなり難儀な作業です。当事務所では、司法書士が代行して戸籍収集を行うサービスを行っています。
遺言書が見つかったのですがどうすればいいのでしょうか?
自筆で書かれた遺言書が見つかった場合、すぐに開封せずに、家庭裁判所で検認手続を受けなければなりません。
検認手続とは、相続人全員に遺言書の存在と内容を知らせるとともに、遺言書の偽造や変造を防止するためのものです。検認手続を受けなければ、その遺言書のとおりに相続登記や預貯金の相続手続を行えません。検認手続は当事務所でも代行しておりますので、ご相談ください。
なお、公正証書遺言の場合は、公証役場に遺言書が保管されているため、検認手続は不要です。
相続税は必ず支払わなければいけないでしょうか?
相続が発生したら、必ず相続税を支払わなければならないですか?
相続税は必ず課税される訳ではありません。
相続財産の総額が基礎控除額を超えた場合のみ、超えた金額に対して相続税が課税されます。
基礎控除額は、[3,000万円+600万円×法定相続人数]の額です。
父が亡くなり、相続人が母1人と子2人の場合は、[3,000万円+600万円×3=4,800万円]となり、不動産や預貯金等の相続財産の総額が 4,800万円以下ならば、相続税は課税されず、申告をする必要もありません。もし、相続財産が基礎控除額を超えたとしても、税法上の特例(配偶者の税額軽 減、小規模宅地の特例等)により、相続税が課税されないこともあります。
※具体的なことはお近くの税務署、税理士さんにお尋ねください。
相続登記には期限がありますか?
昨年父が亡くなりましたが、葬式等で忙しく不動産の相続登記をまだしていません。相続登記はいつまでにすればよいのでしょうか?
相続登記には期限がありません。
相続税の申告と異なり、不動産の相続登記には申請期限がありません。しかし相続登記をせずに放っておくと以下のような問題が生じる可能性があります。
  • 1.相続人の高齢化により、遺産分割協議が難しくなる
    相続人の高齢化が進むと、相続人が認知症などを発症してしまう可能性もあります。そのような場合、裁判所で相続人の代わりに成年後見人を選任してもらい、成年後見人に遺産分割協議をしてもらわなければなりません。
    成年後見人の選任には数ヶ月の期間と数十万円の費用が必要となります。
  • 2.相続人の誰かが亡くなると権利関係が複雑化する
    相続人が死亡し、相続の相続が発生すると相続関係が非常に複雑になる可能性があります。相続登記のために遺産分割協議をしようにも、面識のない親族と話し合うことになり、話がうまくまとまらない恐れもあります。
  • 3.不動産の売却や不動産を担保にお金を借りる場合に不都合が生じる
    亡くなられた方名義の不動産は売却することができず、また、その不動産を担保に銀行からお金を借りることもできません。これらの行為を行うためには、不動産の相続登記を行い、不動産を相続人名義にすることが必要です。
    相続登記はお亡くなりになられた方の出生から死亡までの戸籍謄本等が必要なため多少時間がかかりますので、スムーズな売却や緊急の借り入れなどに支障をきたす恐れがあります。
相続登記をせずに放っておくと、上記のような問題が生じ、必要以上に費用と時間がかかったり、また、他の相続人の協力が得られず相続登記ができなくなるという危険もあります。相続登記はお早めにされる事をお勧めいたします。
借地上の家の名義変更をする場合、地主の許可が必要ですか?
借地上の父名義の家に住んでいますが、父が亡くなりました。相続人は私と兄の2人で、家は私が相続します。家を私名義に変更をするためには地主の許可や名義書換料が必要になるのでしょうか?
相続によって借地権(賃借権や地上権)の名義変更が必要な場合でも、地主の許可や名義書換料は必要ありません。
お父様が借地上にご自宅を所有していた場合、ご自宅と借地権(賃借権や地上権)という財産をお持ちだったと考え、両方とも相続の対象となります。
ご自宅については、名義変更(相続登記)が必要です。相続人間で遺産分割協議を行ない、ご相談者名義に変更する相続登記を行う必要があります。
借地権については、通常第三者に譲渡する場合は、地主の許可が必要になりますが、上記のように相続で借地権の名義を変更する場合は、地主の許可は不要です。地主と締結している土地の賃貸借契約書の名義変更をするために契約書を作成し直す必要もありませんし、名義書換料を支払う必要もありません。相続人間で遺産 分割協議を行ない、ご相談者が借地権を相続し、地代を支払っていく事を決定したら、それを地主に連絡します。内容証明郵便で通知しておけば、より安心でしょう。
内縁関係にありますが、将来相続が発生した場合に相続人になれますか。
結論から先に申し上げると、相続人にはなれません。
相続人になれる人のことを「法定相続人」といい、配偶者(夫・妻) と血族に限定されています。
法定相続人になれる配偶者とは、正式な婚姻の届出を行った夫または妻のことです。
戸籍上は籍に入っていない内縁関係の場合は相続権がありません。よく引用される事例ですが、入籍前の新婚旅行で事故死した場合も相続権はありません。
養子は財産がもらえるのに、連れ子はもらえないというのは本当ですか?
本当です。養子は養子縁組を行った日から実子と同じ扱いになります。
養子の場合は養親(ようしん)、実親(じつおや)の両方の相続人になれます。
一方、連れ子の場合は再婚した親は婚姻届により配偶者としての相続権が認められますが、配偶者と血族相続人のみが「法定相続人」とされるために、血縁関係のない連れ子には相続権がありません。
尚、法定相続人の数に含めることができる養子の数は、実子がいる場合は1人、実子がいない場合は2人まで認められます(民法上は養子の数に制限はありません)。
婚外子(こんがいし)、非嫡出子(ひちゃくしゅつし)には相続権がないのですか?
姻届を行った両親から生まれた子を「嫡出子(ちゃくしゅつし)」といい、婚姻関係のない男女から生まれた子を「非嫡出子(ひちゃくしゅつし)」いわゆる「婚外子」といいます。
この場合は「認知」によって父との間に親子関係を生じさせることで、相続権を得ることができます。
相続人のいない財産はどうなるの?
最終的に全く相続人や特別縁故者が存在しない場合は、相続財産は国庫に入ります。
通常の流れは、利害関係者または検察官の請求により家庭裁判所が「相続財産管理人」を選任し、相続財産の管理と不明の相続人の捜索を行わせます。
そこで相続人がいないことが確定し、「特別縁故者」の申し立てが家庭裁判所にあれば、相続財産の全部または一部が与えられます。
特別縁故者とは、内縁の夫・妻、被相続人の療養看護に努めた人、戸籍上は養子縁組の届出がなされなかった親子同等の関係者など、被相続人の存命中に精神的あるいは経済的な支援を行っていたなどの密接な関係を認められた人をいいます。

株式会社設立について

最短何日で株式会社を設立できますか?
最短1日で株式会社の設立は可能です。
ただし、出資者(発起人)と取締役全員の方に実印及び印鑑証明書をご準備いただき、その日のうちに書類のご捺印及び出資金の払込手続を完了していただかなければなりません。出資金の振込みや登記申請が必要なため、平日のみの対応となります。
かなりタイトなスケジュールになるため、案件によってはお引き受けいたしかねる場合がございますので、ご了承下さい。
1人でも株式会社を設立できますか?
発起人や役員は1名でも設立できます。
会社法が施行されてから、発起人1名、取締役1名での株式会社を設立することも可能になりました。従来の株式会社のように、実質は経営に関わらない親戚等を人数合わせのために取締役とする(名目取締役)必要がなくなりました。
資金が準備できないのですが、資本金が1円でも株式会社を設立できますか?
資本金は1円から設立できます。
資金が準備できない場合は、資本金を1円として設立も可能です。しかし、設立当初から債務超過の会社となってしまいますので、安易な資本金1円での設立には注意が必要です。会社が軌道に乗るまでは資本金を運転資金にすることになるので、開業時の諸経費及び半年程度の運転資金ぐらいを目安に資本金を定めると良いかもしれません。
個人事業を会社化した場合、税金以外の面でメリットがありますか?
大企業(特に上場会社)では会社でないと取引をしない会社もあり、取引先にとっては存続性の 高い会社の方が安心感があるようです。金融機関から融資を受ける場合や人材募集する場合も会社の方が有利に働きます。助成金についても会社しか対象にして いないものもあります。また、会社の場合、事業内容や取引先との関係などで12月末以外でも自由に決算期を決めることができます。
以上のような点からも、会社で事業を行う方が、個人事業に比べ事業拡大のチャンスは大きいといえるでしょう。
なお、個人事業から会社化するために会社設立をする場合は、名刺や看板を作り直す手間や費用がかかる点や取得済みの許認可について新たに会社として許認可取得が必要となる場合がある点にご注意ください。
会社設立を司法書士事務所に頼むメリットは何ですか?
「労力」と「時間」を削減でき、間違いの「リスク」を抑えられます。
独立・起業においてスタートダッシュはもっとも重要です。営業戦略を練ったり、挨拶回りしたりなど、ビジネスのために行うべきことは山ほどあります。専門家に会社設立を任せることで、独立・起業時の貴重な「労力」と「時間」を、新しい事業の成功のために専念して使うことができます。
また、会社設立は多くの法的書類を作成する必要があり、間違いは許されません。高額な手数料(公証人手数料や登録免許税)も必要なため、もし間違えてもう一度ということになれば、さらなる「労力」「時間」と余計な出費まで必要になってしまいます。
また、当事務所は、起業サポートにも力を入れているため、会社設立登記だけでなく、会社設立後の税務手続、各種許認可の取得、助成金申請、社会保険、労働保険、雇用保険の手続などについても他の専門家と連携を図り、しっかりとサポートしていきます。

遺産分割協議について

夫が亡くなりました。相続人は妻である私と息子になるのですが、息子はまだ12歳の未成年者です。母親である私が子供の代理人として遺産分割協議を行えばよいのでしょうか。
未成年者は遺産分割協議することができません。
そのため成年になるのを待つか、法定代理人によって協議をしなければなりません。
未成年者の法定代理人は通常は親ですが、相続の場合、親子揃って相続人であるケースが多く、この場合親と子供の利益が相反することになり、親が子供の代理人として遺産分割協議をする事が出来ません。また、数人の子供を一人で代理することもできません。
そのため、未成年者ひとりひとりに『特別代理人』をつけます。特別代理人は家庭裁判所に選任を申し立てます。選任後に選任された特別代理人との間で協議が出来ます。
夫が交通事故で亡くなりましたが、現在、私は2人目の子を身ごもっています。胎児は相続人になりえるのでしょうか?また、もし仮に胎児にも相続人としての資格があるならば、遺産分割はどのようにしたらよいのでしょうか?
相続における胎児の扱いについては、法律上次のような規定があります
①胎児は、相続については、既に生まれたものとみなす。
②前項の規定は、胎児が死体で生まれたときは、これを適用しない。(民法 第886条)
したがって、まだ生まれてきてはいませんが、あなたが身ごもっているお子さんについても、一応、相続人としての権利があるのは確かです。さて、問題は、遺産分割の方です。
もし仮に、胎児が生まれてくることを前提に、先に遺産分割協議を行ってしまうと、実は1人ではなく双子(三つ子)だった、あるいは流産してしまった等の問題が発生した場合、後に各共同相続人の相続分が変わってきてしまうため、面倒なことになってきます。
胎児の遺産分割については、学説でも分かれており、①胎児が生まれてくるまでは遺産分割協議はできないとする説、②遺産分割協議は行えるが、生きて生まれてきた場合には、事後、価額による支払をすればよいとする説がありますが、先に述べた 理由からいっても、胎児が生まれてくるまでは、遺産分割は待った方が無難であると思われます。
所在のわからない相続人がいるため、遺産分割協議を行うことができません。こういった場合は、どうすればいいのでしょうか。
家庭裁判所に不在者財産管理人の選任を申立てて、この財産管理人が不在者の代わりに遺産分割協議に参加することで、遺産を分割することができます。
このほか、行方不明の状態が長期間続いている場合は、失踪宣告を受けて、死亡したものとみなす方法もあります。
父の遺産の分割協議を終えたあとに、父の子と名乗る人物が現れました。戸籍を調べてみると、確かに、父が認知した子でした。分割協議は一からやり直さなければなりませんか?
相続人を一人でも欠いた遺産分割協議は「無効」ですから、やはり遺産分割協議はやり直さなければなりません。
なお、被相続人(当該事例では父)の死亡後に、認知の訴えや遺言により認知され、相続人になるケースもあります。
この場合、既に遺産分割協議が終了しているときには、相続分に応じた価額を支払えばよいことになっています。
海外に住んでいる相続人がいて、実印がありません。どうしたらよいでしょうか?
実印の代わりにサインをします。
そして、相続人が住んでいる国の日本大使館、日本領事館等で、『このサインは本人のものに間違いがない』という証明をもらいます。
なお、国によってはその国の公証人の公証で足りる場合がありますが、まずは大使館等にお問合せ下さい。
遺産分割協議書は相続人の人数分つくらなければいけませんか?
とくに決まりはありません。1通しか作らないこともあります。
不動産と借金は長男が相続すると言う分割協議書は可能でしょうか?
たとえ、『すべての負債は長男が相続する』と協議書に記載しても、債権者にそのことを主張することができません。
債権者は、法定相続分の割合で、各相続人に返済を求める権利を持っています。なお、長男以外が債権者に返済した場合は、その返済した金額を長男に請求することができます。
兄弟3人で父の遺産を相続する事となりましたが長男である私が土地と自宅を受け継ぎ、銀行預金30000万円を二男、三男で半分ずつ分ける事で合意をしておりますがその場合遺産分割協議書を特に作成する必要はありませんでしょうか?
遺産分割協議書は法律で規定されているものではなく、必ず作成しなければならないわけではありません。
しかし後日の紛争を避けることにも協議の内容を明確にし書面に残したほうがよいでしょう。また、各種の遺産相続手続きにおいて遺産分割協議書の提出が必要となります。
父が亡くなり、遺言書がでてきましたが兄弟で話会った結果、遺言書にかかれた内容と違った遺産分割をする事に全員で合意したのですが問題はないでしょうか?
遺言があっても、相続人全員の同意があれば、遺言と異なる遺産分割協議は可能です。
ただし、遺言による遺贈があれば、受遺者の同意も必要です。
遺産分割協議書は法律で規定されているものではなく、必ず作成しなければならないわけではありません。しかし後日の紛争を避けることにも協議の内容を明確にし書面に残したほうがよいでしょう。
姉と二人で亡くなった父の遺産(土地、現金)を、遺産分割協議書を作成して相続したのですが、しばらくして、別の銀行口座に現金(800万円)がある事が判明いたしました。分割協議はやり直しとなるでしょうか?
やり直す必要はありません。
ただし、遺言による遺贈があれば、受遺者の同意も必要です。
現金預金については、法律上法定相続分に従って分割されます。遺産分割協議によりこれと異なる定めにすることも可能です。また、実務上、銀行からお金を引き出す際には、銀行から遺産分割協議書の作成を求めれらることも多いです。
母親と弟2人で父の遺産分割協議をおこないましたが、後になって父の遺言書が見つかりました。 分割協議を行った内容と遺言書に書かれていた内容が若干違うのですが母と弟も既に分割協議を行った内容で問題ないと言っているのですがどうしたら良いでしょうか?
遺言は、法定相続分に優先しますので、協議した内容と異なる遺言が出てきた場合は分割協議が無効になります。
しかし相続人や受遺者が遺言の内容を確認の上、やり直しをしないことに同意すれば、あらためて分割協議をやり直す必要はありません。
父が亡くなり兄弟で分割協議書を作成し相続を行ったのですが、数か月後に父が認知した愛人の子が現れたのですが?
認知されていない愛人の子は相続人とはなりませんが、認知されている場合は相続人となりますので実子の1/2の相続分の権利があります。
その場合は遺産分割が終了していても無効となりますので、改めて全員での分割協議をやり直すか、それが不可能であれば家庭裁判所で調停または審判を受ける必要があります。

遺言について

遺言書の内容を変更できますか?
遺言者の最終意思を尊重する趣旨から、遺言者はいつでもその遺言を撤回したり変更したりすることが出来ます。
公正証書遺言を自筆証書遺言で変更・取消しすることも出来ます。
自筆証書遺言の作り方は?
遺言者が、遺言書の全文・日付及び氏名を自書しこれに押印します。
日付が○月吉日では、遺言が無効になります。押印はなるべく実印でしましょう。
秘密保持のため遺言書は封筒に入れて封印しましょう。自筆証書遺言は、遺言者が亡くなった後家庭裁判所に申し出て「検認」の手続きをうけなければなりません。
公正証書遺言の際、準備するものはなんでしょうか?
(1)本人の実印と印鑑証明書(又は運転免許証かパスポート)
(2) 遺言者と相続人の戸籍謄本
(3) 財産をもらう人の住民票(相続人の場合は戸籍謄本も)
(4) 土地・建物の登記簿謄本・固定資産評価証明書
(5) 証人の氏名・住所・職業・生年月日を書いたメモ(又は住民票)です。
遺言書を書き損じた時は?
訂正することができますが、加除訂正の仕方は非常に厳格で複雑です。
訂正の仕方を誤ると最悪の場合遺言全部が無効となりかねませんので、新たに遺言書を作り直すことをお勧めします。
遺言は誰でも作成できるのでしょうか?
民法は満15歳以上の者が遺言できるとしています。
又遺言するには、一応の判断能力が必要です。ですので、未成年者や成年後見人でも遺言をすることが出来ます。
ただし、成年後見人が遺言するには医師2名以上の立会いが必要です。なお、遺言する時の能力は遺言する時に必要ですから正常な精神状態で遺言した者がその後心神喪失状態になって死亡しても遺言は有効です。
遺言書が見つかったらどのような手続きが必要でしょうか?
公正証書による遺言でない場合、遅滞なく家庭裁判所にその遺言書を持って行き検認の申立をしなければなりません。
これは相続人に対して遺言の存在と内容を知らせると同時に遺言書の偽造・変造を防ぎ保存を確実にするためです。
したがって、この検認手続きを経ても遺言が有効であると判断するものではありません。
なお、検認の申立をしなかったり故意に遺言書を開封したりすると5万円以下の過料に処せられます。
数通の遺言書がでてきたらどの遺言書に沿って遺言を執行すればいいのでしょうか?
自筆証書遺言では遺言書の全文を遺言者が自ら手書きで書くことになっておりパソコンで書いた遺言は遺言として有効な遺言とはなりません。
遺言の保管はどうしたらいいでしょうか?
相続人が保管するのが一番多いようですが最近は貸し金庫に保管する遺言者も多いようです。
やはり相続と利害関係を持たない公平な信頼できる第三者の人に事情を話して遺言書の保管を頼み死亡時に相続人等に報告してもらうのがいいでしょう。
法定相続分と異なった内容の遺言がある場合どちらが、優先されるでしょうか?
被相続人の意思を尊重して、遺言が優先されます。
もっとも遺留分という制度によって一定の制約があります。
亡くなった父が公正証書遺言を残したらしいのですが、見つかりません。何か探す方法はないでしょうか?
亡くなった人の戸籍謄本・相続人や受遺者であることの証明書・本人証明となる運転免許証等持参して、公証人役場(どこでもよい)に行って調査を依頼します。
遺言書が偽造された場合はどのようなことが考えられるでしょうか?
仮に偽造が疑われていても家庭裁判所の検認手続きをします。
次に、家庭裁判所に遺言無効確認の調停申立をします。もし、当事者間で、この調停の合意が成立しない時又は家庭裁判所が審判をしない時は、遺言無効確認の訴えを地方裁判所に提起します。
遺言書に遺言執行者の指定がない場合はどういったことが考えられるでしょうか?
遺言執行者が必要な場合には相続人・利害関係人等は家庭裁判所に対して、遺言執行者の選任を申立てます。
夫婦が互いに一通の遺言書で遺言するのは有効な遺言書になるでしょうか?
自由な遺言が出来ない又撤回の自由を妨げる等の理由で禁止されています(民法975条)。
相続人に対する「遺贈する」と「相続させる」との違いはなんですか?
以前は相続人に対する遺贈登記の登録免許税は相続登記に比べて5倍でしたが、今は相続人に対する遺贈登記は相続登記と同じ税率になりました(不動産の価格の1000分の4)。
ただ、「遺贈する」ですと法定相続人全員の印鑑証明書又は遺言執行者の印鑑証明書が必要です。「相続させる」でしたら相続人が単独で相続登記を申請できしかも簡単にできます。
また農地の場合、相続なら知事等の許可は不要です。

所有権移転登記について

所有権移転登記とは、どのような登記ですか?
既に所有権の登記がされていることを前提にして、不動産の所有権が登記名義人から転属したことを公示するためにする登記です。所有権の登記がされていない不動産については、前提として所有権保存登記をする必要があります。
どのような場合に所有権移転登記をすることになりますか?
大きく一般承継、特定承継、原始取得に分けられます。
一般承継とは、権利義務一切を包括的に引き継ぐことで、包括承継ともいいます。人であれば相続がこれに該当し、法人であれば合併や会社分割がこれに該当します。
特定承継とは、権利義務を個別的に引き継ぐことで、売買や贈与がその代表例です。
原始取得とは、承継ということなしに権利を所得することで、時効で土地の所有権を取得する場合や、建物を新築して所有権を取得する場合がその典型例です。ただし、建物新築の場合は、所有権移転登記ではなく、所有権保存登記をします。
所有権が移転するのは、いつですか?
契約による場合は、原則として契約締結時です。ただし、所有権移転時期について特約がある場合は、その特約で定められた事実が発生したときに所有権が移転します。不動産の売買契約の場合は、残代金支払時に所有権が移転する旨の特約があるのが一般的で、これを所有権留保特約と呼んでいます。所有権を移転するために許可等が必要な場合(たとえば農地の売買など)は、許可等を得るまで所有権は移転しません。
相続の場合は、相続開始時、すなわち被相続人の死亡時です。相続人間で遺産分割協議が成立した場合も、被相続人の死亡時に所有権が移転したものとされます。
時効取得の場合は、時効期間満了時ではなく、占有を開始した時とされております。
所有権移転登記は、いつまでにする必要がありますか?
法律上期限は定められていませんが、不動産の所有権を取得したことを第三者に主張するためには、原則として登記がされていることが要件(これを対抗要件といいます)となっていますので、取得後すみやかに登記することが大切です。
登記事項証明書に記載されている登記名義人(売主)の住所と印鑑証明書に記載されている住所が相違しています。この場合、住民票などの住所変更の証明書を添付すれば、所有権移転登記を申請できますか?
この場合は、前提として所有権登記名義人住所変更登記申請が必要です。所有権移転登記と同時に(連件で)申請することができます。
登記の添付書類である権利証を紛失してしまいました。登記申請できないのでしょうか?
登記官による事前通知制度、資格者代理人(その登記申請において申請代理人となる資格者)による本人確認情報作成提出などの本人確認手続によって、所有権移転登記を申請することができます。
事前通知制度とは、どのようなものですか?
登記識別情報(権利証)を提出できないときに、登記申請後、登記官から登記義務者(登記名義人)あてに本人限定受取郵便(法人の場合は書留郵便)にて通知書を発送し、間違いがない旨の回答書に実印を押して登記官に提出することで、登記識別情報(権利証)の提出に代える制度です。売買契約に所有権留保特約(残代金支払時に所有権が移転する旨の特約)が定められている取引においては、まず残代金を支払い、所有権が移転し、登記申請をし、登記義務者(登記名義人)あてに通知書が発送され、登記義務者(登記名義人)が回答書を登記所に提出し、登記申請の審査・完了という流れになりますので、買主の権利保護の観点から、この事前通知制度の利用は難しいでしょう。資格者代理人による本人確認情報作成提出の制度によることになるでしょう。

登記識別情報について

先日登記の申請を行い、登記を完了したところ、登記識別情報通知書なるものが届きました。
この登記識別情報とは一体なんですか?
登記識別情報とは、登記済証に代えて発行されるアラビア数字その他の符号の組合せからなる12桁の符号です。不動産及び登記名義人となった申請人ごとに定められ、登記名義人となった申請人のみに通知されます。
登記の申請の際には、本人確認方法のため、登記識別情報を登記所に堤供していただきます。
なお、登記所に提供した登記識別情報を記載した書面は、登記完了後、返却せずに廃棄処分されます。
非常に重要な情報ですので、登記識別情報通知書は、目隠しシールをはり付けて、交付されます。この目隠しシールをはがした場合には、第三者に盗み見られないように通知書を封筒に入れ封をした上で、金庫等に保管するなど厳重に管理してください。
登記識別情報通知書が盗まれたり、盗み見られた場合は、不動産を管轄する登記所の登記官に対し、失効の申出をすることができます。詳しい手続については、窓口にご相談願います。
なお、再発行及び番号の変更はできませんのでご注意ください。
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